胃がんが肝臓に転移した場合の治療法について紹介しています。
がん細胞が血管に入り込み、肝臓や肺など、他の臓器に転移する場合があります。これを血行性転移といいます。
胃がんの場合、とくに肝転移が多いといわれています。
肝臓は、がんが転移しても、症状があらわれにくい部位です。そのため、がんが進行してから転移が発覚したということも少なくありません。
ただし、転移する部位によっては、早期に症状があらわれることがあります。たとえば、肝臓の中の管が集まっている「肝門部」にがんが転移すると、胆汁が圧迫されて詰まってしまい、身体に黄疸の症状が出るため、肝臓に転移したことがわかります。
肝転移は、血液検査や超音波、CT検査などで診断することができます。
CT検査の場合、10mm以上の大きさの肝転移であれば、ほとんど発見できると言われています。
血液検査で腫瘍マーカーが高く、他の臓器への転移が考えられる場合には、「FDG-PET」という検査を受けます。これは、がん細胞が正常細胞と比べて3~8倍のブドウ糖を取り込むという特性を利用してがんを発見する検査です。FDG-PETであれば、一回の検査で全身に転移があるかどうかを調べることができます。
また、画像検査であれば、形状や血液の流れの多少が確認できるため、そのがんが原発性のものか転移性のものなのかが、ある程度、判断できると言われています。
肝転移の場合は、多発することがあるため、切除手術は難しいのですが、がんのかたまりの数が限られていれば、切除できる場合もあります。
しかし、血行性転移の場合、血流に乗って全身にがん細胞が広がっている可能性があるため、手術で完全に切除することは難しいといわれています。
また、腹膜播種やリンパ節転移などもある場合が多いため、ほとんどの場合、抗がん剤治療がメインの治療法となります。
胃がんの治療で多く使われるのは、「TS-1」という抗がん剤です。
参照元:片井均、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 胃がん』小学館クリエイティブ.
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