東洋医学の代表的治療法である鍼灸治療。胃がんの治療においても行われることがあります。代替医療としての鍼灸治療の目的や注意点についてまとめています。
鍼灸は、東洋医学あるいは漢方医学の一分野で、中国に起源をもつ、日本の伝統的医療。経穴(ツボ)に金属の細い針を刺したり、もぐさを燃焼させて刺激を与え、病気を治そうというものです。
鍼灸治療では、神経痛やリウマチ、頚肩腕症候群、頚椎捻挫後遺症、五十肩、腰痛などのほか、胃腸病、関節炎、気管支炎、更年期障害、中耳炎、眼精疲労など、神経系疾患から耳鼻科・眼科疾患まで、幅広い症状に対応しています。
鍼灸がなぜ体の諸症状に効くのかということについては、現在も研究が勧められていますが、鍼灸による刺激が、自律神経系、内分泌系、免疫系などに作用。そして中枢性・反射性の筋緊張の緩和や血液・リンパ液の循環を改善し、病気を自然に回復させる作用が生まれてくるのではないかと考えられています。
胃がんにおける鍼灸治療の目的としては、胃がんを治すというよりも、がん患者の痛みや全身症状を軽減したり、心理的・精神的苦痛を減らしたり、QOL全般の改善のために行われることが多いようです。
そのほか、吐き気・嘔吐などの抗がん剤の副作用の緩和や手術後の腸閉塞の予防などのためにも用いられます。
臨床試験としては、世界各国で多数、行われています。
がんを縮小させたり、消したりということではなく、抗がん剤の副作用の吐き気や嘔吐を軽減したり、神経症状を和らげたりする効果があることが報告されています。
吐き気や嘔吐の軽減については、手術後の患者にも有効だったようです。
現在のところ、鍼治療は、西洋医療を補完する目的で行われるもの、というスタンスが主流です。
鍼治療の場合は、出血や内出血を伴う場合があります。
健康な人であれば問題ありませんが、抗がん剤治療によって血小板が少なくなっていたり、がんが進行して出血しやすくなっている場合には注意が必要です。
お灸の場合は、治療後、皮膚に水疱ができたり、お灸の後が残る場合があります。
そして当然のことではありますが、鍼治療は、専門資格を持った施術者にしてもらいましょう。
参照元サイト:がん研究開発費がんの代替医療の科学的検証に関する研究:補完代替医療ってなに?_鍼灸
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