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ステージ2期

ステージ2に進行した胃がんや、その治療方法について、詳しく知っておきましょう。

そもそも「胃がん」のステージは何を基準に定義されている?

胃がんのステージ(進行状況)は、胃の内壁に対するがんの浸潤の程度(深達度)や、リンパ節へ転移しているがんの程度(数)によって、総合的に判断されます。

胃がんのステージ2の定義

胃がんのステージ2は、さらに状態に応じて「ステージ2A」と「ステージ2B」の2つに分けられます。(※1

ステージ2A

ステージ2B

ステージ2の胃がんの自覚症状

基本的に胃がんは自覚症状が出にくいとされていますが、ステージ2にまで進行すると自覚症状を感じることもあります。一般的な自覚症状としては、以下のようなものが挙げられます。

また、食欲不振や胃内の環境悪化に伴い、消化能力の低下や栄養不足が引き起こされるかも知れません。

ステージ2の胃がんの生存率・再発リスク

ステージ2の胃がんの生存率

ステージ2の胃がんの5年生存率は、「全がん協加盟施設の生存率共同調査」によると、男女合わせて約65%とされています。(※2

一方、1年生存率を見ると92.5%という数値が出ていることから、治療方法や再発予防が生存にとってとても重要であることが推察されます。

ただし、これらの生存率の変化には、胃がんではなく他の病気なども影響している場合が少なくありません。特に高齢の胃がん患者では、がんとは無関係な原因で死亡することも珍しくなく、必ずしもこれらの数値が当てはまるとは限らないことも覚えておきましょう。

ステージ2の胃がんの年数別生存率

胃がん(ステージ2)の治療後の再発リスク

ステージ2の胃がんの生存率を見ると、ステージ2にまで進行した胃がんでは手術によってメインのがんを摘出できたとしても、残念ながら残胃がんや再発の可能性があると言えます。
その為、がんの内容や術後の状態に応じた、定期的な検診や継続的な抗がん剤の使用(化学療法)が肝要です。

ステージ2の胃がんの標準治療

日本胃癌学会の日本胃癌学会ガイドライン検討委員会がまとめた「胃癌治療ガイドライン」の概略によると、基本的に全ての胃がんステージ2は「定型手術」の対象です。(※2

胃がんの定型手術とは?

胃がんにおける「定型手術」では、がん部位を含めた、「胃の3分の2以上」を外科手術によって完全に切除した上で、「D2リンパ節郭清(かくせい)」も併せて行われます。(※1

D2リンパ節郭清とは?

胃の周りにあるリンパ節(第1群)と、胃から少しだけ離れた場所にあるリンパ節(第2群)を総称して、「領域リンパ節(D2)」と呼びます。
胃がんのステージ2では、深達度(がんの浸潤の程度)が低くとも、リンパ節にがんが転移している可能性も高い為、標準治療として胃の切除と共にこの領域リンパ節も郭清(切除すること)されます。

胃がんの進行状況(ステージ2A・B)による治療の違い

ステージ2Aの胃がん治療

ステージ2Aの胃がんでは一般的に、メスでお腹を切って行う開腹式の定型手術が適用されます。しかし、豊富な臨床実績を持つ病院や、優れた医療技能を持っている専門医の下では、胃がんの内容や患者の状態によって、腹腔鏡を用いた胃切除が行われることもあります。
また、特に胃がんの上部にがんが発生している場合、胃を全て切除する「全摘出」が必要になることもあるので、担当医としっかり相談しましょう。必要に応じて、別の医療機関や医師によるセカンドオピニオンを求めることも大切です。

定型手術後は胃の大半を失うので、食生活の変化を避けられません。その為、可能な限り体に負担を掛けないよう、ベストな治療方法を考えることは重要です。
この他、胃の切除後は、残った胃(残胃)や食道と、十二指腸とをつなぎあわせる消化管再建手術も行われます。

ステージ2の胃がん治療としての手術(※1

胃全摘術

胃の噴門(入口)から幽門(出口)まで、全ての範囲を完全に摘出する手術です。

幽門側胃切除術

胃がんが胃の中部~下部にあって、噴門から距離がある場合、幽門側のおよそ3分の2を切除します。

幽門側から胃の3分の2に当たる辺り(噴門側から3分の1)に、胃と周囲のリンパ節のつながりがあるので、D2リンパ節郭清をきちんと行う為にも、がんの範囲が小さくとも幽門側3分の2の切除が基本です。

ステージ2Bの胃がん治療

ステージ2Bにまで達している胃がんの場合、定型手術に加えて、術後に継続した抗がん剤投与(補助化学療法)が行われることもあり、担当医と術後の治療計画についても相談しておくことが必要です。

また、抗がん剤治療による副作用の緩和を目的として、鍼灸治療などの補完代替医療が検討されることもあります。

術後補助化学療法

手術によるがんの切除(除去)は、目に見えて「がん」と分かる範囲を含む、がんに冒されているリスクがある箇所を対象として行われます。しかし、それだけでは、目には見えないくらい小さながんが残ってしまう恐れを拭いきれません。
その為、抗がん剤(S-1)を手術後から1年間服用する術後補助化学療法が行われることもあります。術後補助化学療法によって、5年生存率が10%程度向上するとされています。(※1)

残胃がんと胃がんの再発

胃を部分切除した後、残った胃にがんが発生した場合(残胃がん)、基本的に残っている胃の全摘出が行われます。

また、最初の治療ではがんの完治ができず、別組織などにがんが転移(再発)した場合は、まず抗がん剤を中心とした化学療法が行われることが一般的です。

胃がんに備える予防方法とは?

胃がんのリスクを下げる方法としては、食事のメニューを改善したり、喫煙の頻度を少なくしたりするなど、生活習慣の見直しが大切です。

また、特にステージ2の胃がん治療を行った人では、再発を予防する為に、定期的な検査や、術後補助化学療法が重要になるでしょう。加えて、胃の摘出後は食生活の変化を避けられず、ストレスがたまったり、栄養不足に陥ったりする恐れもあるので注意が必要です。

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参考文献

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