一般に、ステージ4の段階まで胃がんが進行すると手術ができない、と言われています。しかしながら、厳密に言えば、たとえステージ4であれ手術ができない胃がんは、ほとんどありません。問題は、手術をすることにより患者の予後の改善につながるかどうか、という点です。抗がん剤での治療のほうが予後に貢献する可能性が高い中で、手術を選択することは賢明ではないでしょう。以下、ステージ4の胃がんにおける手術の考え方について、詳しく解説します。
ステージ4の胃がんは手術ができないと言われている事情に関連し、まずは、どんな胃がんであれば手術ができるのか、という点から順に確認をしていきましょう。
胃がんを含め消化器系のがんの手術の目標は、「がんをゼロにできる見通しがあること」です。手術を選ぶ以上、以下の4つの理由で、がんをゼロにできる見通しがなければ、手術をする意味がありません。
これら4つのリスクの可能性が低い場合は、手術をすることに積極的な意味があります。すなわち、手術ができる胃がん、ということです。
手術が選択されない胃がんには、主に次の4つのパターンがあります。
それぞれについて、手術ができない理由を具体的に見ていきましょう。
他の臓器へ遠隔転移が確認された場合、一般的に考えて、他の無数の部位にもがん細胞が散っている可能性が高いため、局所的に手術を行なっても意味がありません。
転移が見られたということは、それ以前に、胃がんの癌細胞が血液に乗った、ということを指しています。血液は全身を巡っているため、体の様々な箇所へ、目に見えないがん細胞が転移している可能性があります。転移先の一箇所のみに定着した、とは一般的に考えられません。
手術後に再発が確認された場合、目には見えない無数のがん細胞が、すでにあらゆる箇所に定着している可能性が高いと言えます。
がんの病巣1mmの範囲に存在するがん細胞が約100万個。再発を確認できるがんは、最低でも病巣が3~4mmほどまで成長しています。この段階に至っては、目に見えないがん細胞が無数にあると考えるのが通常であり、手術を選択することに積極的な意味を見出すことができません。
動脈など、命の根幹となる重要な部位にがんが浸潤していた場合、手術は選択されません。胃がんとともに浸潤した部分を切除することは、技術的には可能です。しかしながら、命の根幹となる重要な部位の切除は、すなわち死を意味します。
逆に、切除してしまっても命に関わらない部分に浸潤が見られた場合は、胃がんとともに切除してしまうことは可能です。
まれではありますが、技術的に病巣を取り除くことができないほど、病巣が拡大してしまっているがんがあります。技術的に不可能な以上、手術は選択されません。
ステージ4の胃がんに至っても、一切手術が選択されないという訳ではありません。状態を検討し、手術をするほうが予後の改善に貢献すると判断された場合は、手術が第一選択となる場合もあります。
しかしながら実際には、ステージ4の胃がんで手術を第一選択とするケースはまれ。一般には、次のような方法で予後の改善を図ります。
轟哲也さん(男性)
私は2年と4ヶ月前にスキルス胃がんのステージ4、腹膜播種ありで、リンパ節転移もあり、遠隔転移ありの手術不能、根治手術不適応という診断を受けました。
そのときの一応嫌がる医師を無理やり脅すようにして聞いた余命っていうのが「まあ、月単位で考えてください」ということでしたけども、こうして2年4か月生きて、今日も一生懸命電車に乗って歩いてこれました。
そういう状況です。
匿名(男性)
針を刺して水を抜く治療を行ったので、おなかが張ったような感じはなくなり、呼吸は楽になった。
そして、胃カメラ(内視鏡)の結果、胃にがんがあることが分かった。
腹部から抜いた液体にもがん細胞が見つかったという。
がんが広がっており、胃がんのステージIVであった。
がんがあると分かってからは自分でも驚くほど冷静で、「とにかく医師と相談して、早く治療を始めなくては」と思っていた。
「手術になるのでしょうか?」と医師に聞くと、「全身に効果がある抗がん剤での治療になります」と説明された。
がんは腹部全体に広がってしまっているため、胃だけを手術で切ってもほかの場所に潜んでいるがんを取り切れず、体力を消耗してしまうのだという。
抗がん剤の治療はS-1とシスプラチン(CDDP)という薬で行うことになった。
医師から、「がん細胞を遺伝子レベルで調べた結果から考えると、これが一番効くと思います」と説明されたので、納得してそれを選ぶことにした。
西口洋平さん(男性)
2014年の夏ごろから体調に異変を感じ、下痢や体重の低下がありました。
2014年の年末には5キロほど体重が低下。
年明けには、近所の病院で検査をするものの異常なし。
しかし、その後「黄疸」という症状が出て、もしやということで、大きな病院で検査入院をすることになりました。
数種類の検査後に待っていたのは、思いがけない話でした。
2015年2月、がんの告知。
同時に、手術の説明とその日程調整。
頭は真っ白。
すぐに手術をするものの、転移があり切除ができず、進行がもっとも進んだステージ4。
そこから、抗がん剤による治療がはじまる。
検査入院をするときには、検査が終わればすぐに退院すると思っていたので、会社にも「すぐに戻ってきます」とだけ伝えていた。
入院後すぐに、がんの告知を受けるものの、そのことについては、すぐには言えず、「しばらく入院することになった」とだけ伝えていた。
手術後、入院期間が2週間を超えることになり、さすがに長いと思った同僚から「大丈夫?」とか「ぶっちゃけどうなの?」などの連絡が入るようになる。
ちぃちゃんさん(女性)
残念ながら、ステージ4です。
手術は出来ません。
抗がん剤治療になります。
そう言われて、今日で1年。
生きてるぜっ
審査腹腔鏡検査で
結腸への遠隔転移がわかり、
ステージ4が確定した。
宣告されてもまだ他人事だった。
だって何処も痛くも痒くもなく、
こんなに元気なんだもん。
談話室から出ると、
居るはずのない妹家族がいた。
名古屋から車で会いに来てくれていた。
ちぃちゃんっ!
妹の呼びかけに涙が溢れた。
ずっと1人で病院に通い、
ずっと1人で色々な宣告を受けてきた。
気丈に振る舞っていたけど、
不安だったんだな、自分…
今、そう思う。
あまあまママさん(女性)
胃カメラを撮った次の日
「カメラで見たところ、腫瘍がありました。悪性だと思われます」
え❓胃がん❓
咳は❓足の付け根の痛みは❓
「生体検査に出していますので、骨髄の検査結果と合わせてまた説明しますね。
でも原因は消化器科になるので転科となり担当医が変わります。
気管支内視鏡検査もしません」
さようなら〜という感じで去っていくK先生を見送るバカ夫婦(>_<)
(この後、何度か病院内でK先生に会いましたがガン無視されてます(笑))
そして、その4日後の4月14日
消化器科の担当医と名乗るℹ︎先生が登場です。
入院中の部屋に来られ、
「胃がんの末期です。ステージⅣです。
リンパに転移していて肺に炎症があります、骨転移もあります。
手術はできず抗ガン剤治療になります。」
色々検査してやっと見つかったガンだから、きっと初期だよ。
切れば大丈夫と楽観視していたバカ夫婦は奈落に突き落とされたのでした。
つまり、胃に出来たガンが縦隔リンパに転移し、肺に転移して炎症を起こし咳を出し、骨にも転移して足の付け根に炎症を起こし骨折したという事にやっとたどり着きました。
最初の肺気腫診断から2ヶ月が経っていました。
だから、足の付け根が痛いってずっと血液内科K先生に言ってたじゃんか〜〜
匿名(男性)
PET-CTの結果がでました。
抗癌剤シスプラチン、TS-1を2クール、その後手術。
術後4クール。
今回の結果次第で抗癌剤治療は続きますが、TS-1のみになる。
結果は、
「再発、転移は認められません」
とりあえず一区切りついたかな。
手術できないって言われてたのが手術ができたり、再発転移の可能性は高いっていわれたり、スキルス胃癌術後の生存率だったり。
これからも闘病は続くけど、ここまでこれたんだなぁと、ひとまずホッとしたのが正直な気持ちです。
ゆまぞうさん
ホントお疲れさまです🎄
私も手術できない状態の胃がんで、科学治療はじめてから一年近くになります
吐き気つらいしあちこち痛いし、つらいことばかりで...
先日も治療の為入院し、シスプラチン等点滴(9クール目)して、食事は朝昼晩と吐き気でおえおえでした。
ついでに尿管ステント交換というのもやり、よろよろでふらふら😵🌀でした
退院して3日たち、やっと食べたい気持ちが出て、でも体はまだまだ戻らずで...
悲しくてつらいけど、二人の子をもつ母なので、今日も頑張ります🐔💪
気分変えるのに音楽色々聴いてると、私はまだまだだゾーーと思えるので、好きな音楽たくさん聴いてみて下さい🙌
引用元:また入院3――抗がん剤治療の副作用と痛みの緩和に向けた放射線治療 : 【±111】食道胃接合部癌ステージ4闘病記(食道がん?胃がん?)
bell0ayaさん(男性)
PET-CTの結果を受けての診断でした。
既に電話で転移をしている事は聞かされていたので、余命の話かなあと。
まずは、主治医の消化器外科の先生の話から。
胃の周辺のリンパには転移しているかもと考えていたそうですが、予想外に遠隔に転移していたとのこと。
従って、手術はなし。
癌細胞製造マシンとなっている胃だけでも取った方が良いんではとお聞きすると、手術は体力を非常に消耗するので、後の抗がん剤治療に影響があるとのことでやはり、やらないとの事でした。
そのため、主治医が消化器内科の先生になるので、その後は消化器内科でということになりました。
せっかく何となく信頼関係が出来てきたところだったのに……
最後に、先生慰めのつもりだと思うのですが、「今迄に一人、外科に戻って手術したことあるから、また会えるように頑張りましょう」と。
う〜ん。
そこはがん専門病院で先生のキャリアを考えたら、分母の患者数は相当な数だよなぁと余り真に受けませんでした。
Copyright (C)胃がん治療に対する正しい知識を身につけて病気を乗り切るためのサイト All Rights Reserved.