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胃がん手術後におすすめの運動

こちらでは胃がんの手術後におすすめの運動と注意点をまとめています。

胃がん手術後に行う運動の注意点

胃がん手術後の運動で気をつけるのは、とにかく無理をしないことです。手術から約1年は運動を控えましょう。体力に自信がない場合も同じです。「今の体力であれば運動できる」という自信がなければ様子をみてください。

運動を行うのに一番早いタイミングは、術後3ヵ月からになります。術後すぐに行うと体への負担が大きくなってしまうのでおすすめできません。

運動がつらくなってきたらペースを落とし、休むときはしっかり休みましょう。[注1]

手術後の運動はウォーキングが最適

胃がん手術後に行う運動として最適なのがウォーキングです。ウォーキングは歩くだけの運動で、自分のペースで行うことができます。手術後は体力や食生活などで大きな変化が起きやすい時期なので、無理は禁物です。かといって変化に合わせたままでいるのもストレスに。ウォーキングは体調に合わせてペースを変えられますし、適度に休憩をはさみながら行えます。景色を眺めながらウォーキングをすれば、ストレスの軽減も期待できますね。

おすすめの運動はほかにもたくさん

ウォーキング以外でおすすめの運動はほかにもあります。ウォーキングと同様に生活の中に取り入れやすく、短時間から始められるものばかりです。

動的ストレッチ

有酸素運動の役目を担う動的ストレッチもおすすめです。動的ストレッチは体幹を鍛えるストレッチで、特別な道具や器具は使用しません。その日の体調に合わせて運動量を調節できるのもメリットの1つ。ウォーキングに行くまでの体力がまだついていない時期に行う運動として最適です。

動的ストレッチは徐々に筋肉を伸ばしていくのがポイント。筋肉や関節をほぐすように動かしましょう。

動的ストレッチの手本となるのがラジオ体操の動きです。はじめから大きく動かず、軽く体を動かすようにします。それから徐々に可動域を広げてください。

ゴルフ

ゴルフは練習場からスタートし、体力が戻るか体が慣れた頃にゴルフ場を回ると良いでしょう。ホールを歩くことがウォーキングにもつながりますし、豊かな自然に囲まれているので、気分転換にもぴったり。一緒にゴルフを楽しむメンバーは、気兼ねなく話ができる間柄がベストです。

もしゴルフ中に強い疲労を感じるといったことがあった場合は、無理をせずに休みましょう。メンバーに事情を説明して、見学に回ることも大事です。ゴルフ場を回った後に懇親会がある場合、出席するかは体力次第。常に自分の体力を優先してください。[注2]

ジム

ジムを活用するのも1つの手です。ジムといえば本格的に筋肉を付けにいく場所というイメージがあるかもしれませんが、エアロバイクやウォーキングマシンなど、有酸素運動に欠かせないマシンも数多く揃っています。自分のペースでトレーニングを行えるのもメリットといえるでしょう。ただし、腹筋に力を入れるトレーニングは禁物です。[注3]

家事

ウォーキングやゴルフなどのスポーツを行わなくても、普段から家の中で体を動かすことを意識することが大事。掃除、洗濯、買い物も家の中でできる運動の1つです。

筋力低下を防ぐに適度な運動を行う

手術後は筋力が低下しやすくなります。その状態でいると今度は骨が弱くなってしまうきっかけに。筋力を保つため、最低でも1日1回は適度に汗をかく運動を行ってください。

術後すぐの激しい運動はNG

手術後の運動で避けたほうが良いのは、腹筋に影響を与える激しい運動です。腹筋を鍛えるトレーニングや重いものを持ち上げるベンチプレスなどは避けてください。手術した箇所の悪化につながる可能性が高いので、このようなトレーニングや運動ができるのは少なくとも術後3ヵ月ほど経ってから行うようにしましょう。

運動と同時に気をつけたいのが食事と睡眠です。運動だけでは体力をつけることはできません。退院後も入院していたときと同じように規則正しい生活を続けてください。そうすれば体力をつけるための運動に効果を発揮するはずです。

運動の適切な頻度は?

運動を行う頻度については、退院時に主治医がいくつかの注意点と一緒に説明を行う場合が多いようです。術後の運動に関して指示があれば、その通りに体を動かしましょう。指導や注意などがほとんどなかった場合は「これまでの生活習慣に戻ってOK」というサインの場合もありますが、不安であれば医師への相談をおすすめします。

胃がん術後の運動にまつわるニュース

こちらでは、胃がん手術後の運動にまつわるニュースをまとめています。

東大が胃がん手術前後のトレーニングに関する臨床試験を開始

2017年8月、「東京大学医学部付属病院22世紀医療センター肥満メタボリックケア(社会連携講座)」の愛甲教授と瀬戸教授は、ライザップ株式会社との共同研究として「9月から臨床試験を行った」と発表しました。

臨床試験の名称は「運動・栄養介入による胃癌周術期のサルコペニア予防効果に関するランダム化比較試験」です。これは胃がんの手術後にトレーニングを行った際、術後の筋力への悪影響がどれくらい押さえられるかを検証する実験でした。

この実験を通して、高齢化や肥満の人が増加している国内での適切な運動方法、および栄養管理方法を確立し、高齢者の健康維持や促進を目指すそうです。

サルコペニアは、主に加齢に伴って起きる骨格筋量(トレーニングでしか鍛えられない筋肉の量)の低下を指し、最近注目されている社会定位課題となっています。この研究では胃がんの手術を行う前後の運動と栄養療法で、サルコペニアが予防できるか検証しています。

臨床試験は、東京大学医学部付属病院胃・食道外科で胃がん手術を受ける高齢者をランダムに選択。試験では手術の前後に運動と栄養補助食品の摂取を行いました。こちらの臨床試験結果はまだ発表されていませんが、手術前後の対策に効果があるのかどうか、期待が持てるところです。

食事療法と運動で体重を増加させた女性の話

胃がん手術後の後遺症を抱えていた患者が体力をつけることで克服したというニュースがあります。

横浜市在住の女性が2008年に胃がんの手術を行った際、胃の3分の2を摘出しました。退院後は医師の指示通りの食生活を続けましたが、下痢や貧血がひどくなり、体重も激減したそうです。

体重が激減した大きな理由は、胃の中で分泌されるホルモン「グレリン」の欠乏によるもの。グレリンは食欲増進、エネルギーの保存を促す司令塔の役割を果たします。このグレリンの量が減少することをはじめ、胃酸やペプシン(タンパク質分解酵素)などを含む消化液が分泌されなくなることで筋力や骨量の低下につながっていました。

筋力と骨量の低下を予防するため、女性は胃の消化液の代わりになる薬の処方を医師に依頼。食べ物の消化をよくするため、食事の際にはよく噛むようになりました。

食事の対策と一緒に行ったのが運動です。体力の低下を防ぐため、1日5,000歩のウォーキングを行いました。それだけでなく、ストレッチと筋力トレーニングも並行することに。その対策のおかげで下痢を起こすことはほとんどなくなり、体重も3kg増加しました。現在も無理しない程度に運動を行っているそうです。
女性は自身の経験をもとに「胃を切ってしまうと体重が増えなくなる」とあきらめずに、食生活と運動を実践することを促していました。


  • [注1][pdf]胃外科・術後障害研究会:胃を切った方の快適な食事と生活のために
  • [注2]国際医療福祉大学:ストレス対処編
  • [注3]胃を切った人友の会アルファクラブ:最初の病院で「進行胃がん」と…
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