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胃がん末期における腰痛の原因と治療法

胃がん患者をはじめ、多くのがん患者では自覚症状の1つに腰痛を挙げる人も多く、特に末期のがん患者では、腰痛を含めて全身を襲う激しい痛みに悩まされる場合が少なくありません。

腰痛がひどくなると、動いている時だけでなく、ただ立っている時や、寝ている時にも痛みが気になり、運動障害や不眠症、うつ病など様々な症状が引き起こされる可能性が高まります。

胃がんと腰痛の関連性や対処法について知っておくことは、生活の質(QOL)を維持する為に欠かすことのできないポイントです。

胃がんと腰痛の関係性

腰痛の原因

明確に原因が判明している腰痛は、腰痛患者全体で見ればわずか1~2割程度ともいわれ、具体的に腰痛が起こる仕組みが解明されている場合は、むしろ少ないのが現実です。

とはいえ、一般的に腰痛の原因として考えられているものには、骨・関節・筋肉の損傷や炎症、神経へのダメージ、周辺臓器の病気、運動不足や姿勢の悪化、体に合っていない寝具、精神的ストレスなどが挙げられます。

そして末期の胃がん患者では、上記の原因の全てを可能性として考えなければなりません。

痛みの分類

腰痛を含めた「痛み」は、骨や関節、筋肉など体の組織(体性組織)への刺激に起因する「体性痛」、胃や食道、腸など内臓の状態が原因となる「内臓痛」、末梢神経や脊髄などの損傷による「神経障害性疼痛」の、大きく3つに分類されます。

痛みの特徴としては、体性痛は痛みの場所が明確で、さらに体を動かすことで痛みが悪化します。内臓痛は痛みの場所が不明確で、周辺が押さえつけられたり絞られたりしているような痛みが一般的です。神経障害性疼痛では、電気が走ったり、患部がしびれたりするような痛みが見られます。

さて、例えば末期の胃がん患者に当てはめて見た場合、背骨や腰の筋肉にがんが転移したり、寝たきりになっているせいで背骨が圧迫されたりして発生する痛みが体性痛です。また、胃や腸の状態が悪化して、炎症を起こしていたり、消化管の内圧が上昇していたりすれば、それらに関連して内臓痛が発生することもあるでしょう。その他、腰椎にがんが転移すれば、腰に痛みが生じる可能性が高まります。

がん性疼痛とは?

がん患者では、しばしばがんの進行に伴って全身に強い痛みが感じられるようになります。

このように、がんに関連して起こる痛みの総称が「がん性疼痛」です。

がん性疼痛は、がん患者の生活の質を考える上で最重要な問題の1つであり、がん性疼痛をどうやって軽減するかが、がん患者の日常生活を守る為に大切なポイントになります。

がん性疼痛の種類

がんが直接的な原因の痛み

がん性疼痛のおよそ7割は、がん細胞が周辺組織に転移・増殖して発生する痛みといわれています。例えば、骨や関節への転移、内臓の機能障害による痛み、がん組織が神経を圧迫することで生じる痛みなどが、がんが直接的な原因となるがん性疼痛です。

がんに関連する痛み

がんの為に入院生活や、自宅で寝たきりの生活が続くと、筋肉や関節が硬くなって、動かした時に痛みが生じることもあります。また、長く同じ体勢で横になっていることで、床ずれが起こる可能性も考えられます。この他、胃がん患者では便秘や下痢、腸閉塞になる人も少なくありませんが、これらも腹痛や腰痛の原因としてなり得るでしょう。

さらに、末期の胃がん患者では、死について具体的に考えなければならないこともあり、その際のストレスによって睡眠障害や神経障害が引き起こされれば、それらもまた腰痛の大きな一因です。

がんの治療に関連する痛み

胃がんの治療として行われる胃の摘出手術や消化管の再建手術など、外科手術による後遺症として、傷口が痛んだり、臓器が癒着したりして痛みが生まれることもあります。また、抗がん剤治療や放射線治療の副作用で体の細胞や組織にダメージが与えられ、痛みが生じる可能性もあります。

がんが直接的な原因でない痛み

そもそも、胃がんになる前から持っている腰痛や持病が、がんによるストレスやがん転移の影響によって再発したり、悪化したりすることもあるでしょう。さらに、末期がんで免疫に関わる組織や臓器でも機能障害が生じてしまえば、免疫力が低下して、感染症にかかったり、帯状疱疹(ヘルペス)が神経を圧迫したりと、痛みの原因が作られることも考えられます。

がん性疼痛への対処法

まずは痛みを共有することが重要

日本では未だに、痛みに耐えて元気に振る舞うことが美徳であると考える人もいるようですが、実際のがん患者にとって、がん性疼痛は生活の質に直結する非常に大きな問題です。

また、痛みの質によっては緊急的な治療や手術を要する倍もあります。

しかし、痛みはそもそも主観的なものであり、いざ痛みを伝えようとしても、正しく伝わらないこともあるでしょう。

その為、がん患者では自分の痛みを強さや場所、感じ方など細かく医師や家族へ伝えること、周囲の人はがん患者の痛みを正しく理解してあげられるように努めることが、がん性疼痛の管理として最初に行うべきことです。

鎮痛薬

がん性疼痛を軽減・解消する為に鎮痛薬を使うと聞くと、中毒になるのではないだろうかとか、薬なしでは生活できなくなるのではないだろうかと、不安を抱える人も少なくありません。

ですが、専門医の管理下で適正な使用法を守られた場合、脳や精神への被害も抑えられ、中毒になる確率も低くできるとされています。そして、痛みが改善すれば、鎮痛薬の量を調整して、減量していくことも可能です。

末期の胃がん患者にとって、激しい痛みは本当に深刻な悩みです。その為、辛い痛みに襲われた時は、一人で我慢することなく、医師へ相談して鎮痛薬の使用を検討することが望ましいでしょう。

薬に頼らない対処法

適度な運動、マッサージ、患部の温めなどで、痛みを和らげることも可能です。また、信頼できる相手が患者のそばにいたり、好きな趣味を楽しんだりすることで安心できて、痛みの苦しみを低減できるかも知れません。

肉体的にも精神的にも、自分なりのリラックス方法を見つけて、日々の暮らしに取り入れていくようにして下さい。

参考文献

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