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胃がんの末期における嘔吐への対処法

何らかの理由により、脳の延髄に存在する嘔吐中枢が刺激されると、嘔気や嘔吐が生じます。胃がんの末期における嘔吐もまた同じく、何らかの理由によって嘔吐中枢が刺激されたことが原因です。その原因の大半は、胃がんそのものよりも、胃がんの治療にあります。ここでは、胃がん末期における嘔吐の原因や対処法、嘔吐する患者に対する家族の接し方などについて詳しく解説します。

ステージ4(末期)の胃がんにおける嘔吐の原因

ステージ4に限らず、胃がんに罹患した多くの患者は、様々な理由によって吐き気や嘔吐を経験することになるでしょう。
がんに罹患していない健常者においても嘔吐は時々見られる症状ですが、がんに関連した嘔吐としては、次のようなものが挙げられます。

化学療法の副作用による嘔吐

化学療法、つまり抗がん剤の副作用による嘔吐が見られます。このタイプの嘔吐は、大きく分けて次の3つがあります。

・急性悪心・嘔吐
抗がん剤の治療を開始してから24時間以内に見られます。
・持続性嘔吐、または遅延性嘔吐
抗がん剤の治療を開始してから、24~48時間以内に見られ、かつ症状が持続します。
・予測性嘔吐
抗がん剤による嘔吐を体験した患者において、抗がん剤を前にして心理的要因で大脳皮質が刺激され、嘔吐を生じる場合があります。

■放射線治療の副作用による嘔吐

放射線治療によって破壊された細胞組織が、血液や神経を開始て嘔吐中枢を刺激し、嘔吐が生じることがあります。

■消化管の通過障害による嘔吐

胃がんの影響による消化管の狭窄、または手術後の癒着等を理由に、嘔吐が生じることがあります。嘔吐してしまえば楽になることもあります。

■脳圧の上昇による嘔吐

胃がんが脳へ転移した際における治療の影響で、嘔吐中枢が刺激されて嘔吐を生じることがあります。頭痛を伴う嘔吐が多いとされています。

■心理的理由による嘔吐

緊張や不安などの心理的要因が大脳皮質の嘔吐中枢を刺激し、嘔吐が生じることがあります。

ステージ4(末期)の胃がんにおける嘔吐への対処法

嘔吐が著しい場合、または嘔吐が予測される場合には、各種の制吐剤を使用して嘔吐を抑制します。あるいは、心因で嘔吐が生じている場合には、向精神薬が処方されることもあります。
しかしながら大半の嘔吐については、治療をするというよりも、嘔吐に先立って事前に対処をする、といった方法を採ることが一般的。以下、末期の胃がん患者の嘔吐に対する代表的な対処法を挙げました。

■嘔気が生じたら姿勢を横向きにする

吐瀉物が気道に詰まって窒息を起こさないよう、嘔気が生じたら、患者の姿勢を横向きにしてください。仰向けのまま嘔吐することは危険です。仰向けにしかならない場合には、顔だけを横に向けましょう。

あわせて、胃の付近に氷嚢などを置いて冷やします。胃の運動を抑制するためです。

■常に口の中を清潔にしておく

患者は自身の口臭が原因で嘔気を催すことがあります。口の中が臭わないよう、常に口内の清潔を保ちましょう。

■室内の空気を入れ替える

室内に各種の臭いがこもらないよう、常に空気の入れ替えを意識してください。病室に生花を飾る人もいますが、刺激のある臭いのお花は患者から遠ざけてください。吐瀉物は速やかに片付け、臭いが残らないよう、しっかりと清掃してください。

■嘔気のある場合は無理に食事を摂らせない

食べてもすぐに吐いてしまうような場合には、無理に食事を摂らせないようにしましょう。1~2食ほど食事を抜くことで、嘔気がなくなることもあります

なお、食事を抜いている間でも水分補給は行なってください。経口補水液や栄養バランス飲料などがおすすめです。

嘔吐する患者に関して周りの人ができること

末期のがん患者における嘔吐への対処法は、そのほとんどが家族の仕事です。薬が必要なほどの嘔吐であれば医師に対処してもらいますが、日ごろの嘔吐対策については、家族が積極的に行なってください。

■嘔吐に先立つ様々な対処は家族の仕事

上記で紹介した嘔吐への対処法は、その大半を家族が行なうべきものです。嘔吐しそうな時に体を横向きにすること、患者の口の中を常に清潔にすること、室内の空気を常に新鮮な状態にすること。いずれも医療関係者ではなく家族の仕事。大切な家族たる患者のために、面倒くさがらず、細やかに対応してください。

■患者をリラックスさせる

嘔吐は、多分に心理的な要因で誘発されることがあります。患者における緊張や不安を取り除くことが、嘔気・嘔吐の予防につながることもあるため、家族は患者をリラックスさせるための様々な対策を考えましょう。

気分転換になるような明るい話をする、常に患者のそばにいる、吐きそうになったら背中や体をさするなど、温かく接することで患者の心理面を支えていきましょう。

参考文献

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