胃がんの初期にあたる「ステージ1A」や、各ステージ(進行状況)の分類について、まとめて確認していきましょう。
胃がんのステージは大きく1~4に分類されますが、中でもさらに初期状態の胃がんは「ステージ1A」と呼ばれます。ステージ1Aの胃がんでは、がんは胃の粘膜層か粘膜下層にとどまっている状態です。
胃がんのステージ(進行状況)は、基本的に胃壁に発生した「がん」が、どの程度の深さにまで達しているかという「浸潤」の程度(深達度)によって判断されます。また、リンパ節へ「転移」しているがんの程度(数)も、胃がんのステージを判断するポイントです。
胃の内壁の表面にある「粘膜」に発生した胃がんは、そこから徐々に“胃壁の内側”へと浸潤していきます。胃壁の構造(層)は以下の5層です。
遠隔組織でなく、リンパ節へ転移しているがんの数によっても、胃がんのステージは分けられます。
胃がんのステージ1は、初期(ステージ1A)と、そこから少しだけがんが進行したステージ1Bに分けられます。
胃がんが粘膜、もしくは粘膜下層までにとどまっている状態です。さらに、リンパ節への転移も認められません。
胃がんのステージ2は、その状態によってステージ2Aとステージ2Bに分けられます。
胃がんのステージは、その状態によってさらに「A~C」の3段階に分類されます。
肺や肝臓など離れた臓器や離れたリンパ節にまで、がんが転移している場合、原則的にステージ4と分類されます。
基本的に、胃がんは自覚症状が出にくいタイプのがんとされていますが、特に初期状態では自覚症状もほとんどないことが一般的です。
尚、一般的に言われる「胃がんの症状」としては、以下のようなものが挙げられます。ただし、胃がんに特有の症状とは限らないので、これらの症状が出たからといって不安になりすぎてもいけません。
胃がんの発生原因としては、いくつかのリスク要因が挙げられています。
塩分過多の食生活、野菜・果物の摂取不足、喫煙といった生活習慣は、胃がんのリスクを上昇させる要因とされています。また、一部の胃がん(胃の上部)については、過度な飲酒もリスク要因の1つです。
胃の中に「ヘリコバクターピロリ菌」が存在していると、胃がんのリスクを上昇させると考えられています。また、ヘリコバクターピロリ菌の除菌が、胃がんの予防になるかどうかという研究も進められています。
ただし、ヘリコバクターピロリ菌に感染しているからといって、全員が胃がんを発症するとは限らないので、気にしすぎることは禁物です。
全国がん(成人病)センター協議会の公表データに基づく、胃がん(ステージ1)の5年生存率は「97.3%」です。(※1)
そもそも、ステージ1Aで早期発見された初期胃がんは、すぐに処置をすれば基本的に完治が可能とされているので、生存率が高いこともうなずけます。
また、がんの治療技術は日々進化しており、一般的には各機関からデータが公表された時点よりも、実際の生存率が向上している可能性はあります。
適切に治療を施された初期胃がんについては、再発のリスクもかなり少ないと考えられており、だからこそ早期発見が重要です。
ステージ1Aの胃がんは、基本的に内視鏡を用いた治療(がんの切除)が基本です。内視鏡手術では胃を失わずにすみ、QOL(生活の質)も保ちやすくなります。
ただし、胃がんの状態や条件によっては、内視鏡下で外科手術が行われることもあるので、担当医とよく相談することが大切です。
内視鏡治療には、主に「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」と「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」があり、がん患者の状態によって使い分けられています。(※2,※3)
初期の胃がんは、自覚症状がほとんどありません。その為、胃潰瘍などの治療の際に偶然発見されることもありますが、可能であれば積極的ながん検診によって定期的に胃の状態を確認しておくことが重要です。
食生活や喫煙頻度といった生活習慣を改善することは、胃がんの予防を考える上で欠かせません。ビタミン、ミネラル、食物繊維などを豊富に含んでいる野菜・果物・海藻を日常の食事に取り入れていきましょう。
また、ストレスのない生活は胃の状態を健全に保つだけでなく、免疫力を高めて、がんのリスクを下げるとも言われているので、毎日を楽しく過ごせるような工夫も大切です。
免疫力アップの成分として、「米ぬか多糖体」という、お米のぬかから抽出された物質が世界中の研究機関から注目を集めており、各国の医療機関で臨床研究が続けられています。
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