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末期の胃がんにおける倦怠感の原因と改善法

ステージ4(末期)における胃がんはもとより、がんの治療中には、大なり小なり、ほとんどの患者が倦怠感を自覚します。その原因の大半は、抗がん剤の副作用。加えて、痛みによる疲労感や、不安・緊張などによる精神的なストレスなども倦怠感の要因となります。ことに末期がんの患者においては、余命のQOLを少しでも向上させる意味でも、倦怠感が生じた時の対処法を知っておいたほうが良いでしょう。

ステージ4(末期)の胃がんにおける倦怠感の原因

ステージ4(末期)の胃がんを始め、あらゆるステージの胃がん治療において、中には著しい倦怠感を覚える患者もいます。

以下、胃がん患者における倦怠感の原因について確認します。

抗がん剤(化学療法)の副作用

末期胃がん患者における倦怠感の原因の大半は、抗がん剤(化学療法)の副作用です。余命が短いと予測される患者においては、倦怠感によるQOLの低下を排除するため、抗がん剤治療を排除し、鎮痛治療を優先する場合もあるほどです。

なお、抗がん剤の副作用による倦怠感は多くのがん患者において見られる症状ですが、なぜ抗がん剤が倦怠感を招くのかというメカニズムについては、現状、十分に解明されていません。

痛みや吐き気による疲労感

たとえ末期胃がんであれ、薬剤の適正な使用により、痛みをコントロールすることは難しくありません。しかしながら、患者は完全に痛みから解放される訳でもありません。鎮痛剤の使用により「耐えられる程度の痛み」まで軽減させることはできますが、その痛みも長期継続的になると、心身に疲労感が蓄積します

また、患者によっては吐き気や嘔吐を繰り返す場合もあります。継続的な吐き気や嘔吐もまた、疲労感を蓄積させる大きな要因です。

これら疲労感が原因となり、やがては著しい倦怠感を覚える患者もいます。

吐血・下血などによる貧血

胃がん患者の中には、吐血や下血が続いてしまう例も見られます。輸血などの適切な治療を受けることで症状は改善しますが、一時的に貧血状態となり、倦怠感を覚える患者もいます。

水分不足・栄養不足

下痢や嘔吐によって体内の水分や栄養素が不足すると、多くの患者において倦怠感が生じます。

睡眠障害

胃がんに伴う各種の痛み、治療への不安、この先への不安から、うつ状態となり睡眠障害が生じる患者もいます。睡眠不足が蓄積することにより、倦怠感が生じることもあります。

精神的ストレス

終わりの見えない治療、改善が見られない病巣、治療への抵抗、家族への負担に伴う自責の念などなど、末期胃がん患者の中には、様々な思いから精神的ストレスを蓄積してしまう人もいます。これらストレスが原因となり倦怠感へとつながるケースもあります。

ステージ4(末期)の胃がんにおける倦怠感の改善法

貧血を理由とした倦怠感に対しては、輸血や止血などの医療的な措置により改善を図ることも可能です。あるいは、睡眠障害や精神的ストレスに対しても、心療内科的な治療により、ある程度までの改善を見込むことができるでしょう。

しかしながら、先に触れた通り、末期がん患者が抱える倦怠感の原因の大半は、抗がん剤の影響によるもの。抗がん剤の使用をストップするならば話は別ですが、抗がん剤による治療を続ける以上は、ある程度の倦怠感を避けることは難しいでしょう。

少しでも倦怠感を改善させるためには、以下のような対策を採るようにしてみてください。家族の方も積極的に協力しましょう。

自らの倦怠感のパターンを知りタイミング良く休息をとる

歩いたり起き上がったりなどができる状態であれば、倦怠感が生じた時に無理をして動こうとせず、ゆっくりと休息をとるようにしてください

倦怠感が生じるパターンは患者により異なりますが、自身の倦怠感の発症パターンだけに着目した場合、いくつかの共通点が見られる場合があります。日記をつけるなどして、倦怠感が生じるパターンや、逆に元気になるパターンなどを自分で客観的に知り、このパターンに応じて無理をせず休む時は休む、というサイクルを実行してみてください。

血液やリンパ液の流れを促す

血液やリンパ液の流れを良くすることにより、倦怠感が軽減することがあります。

入浴をして血行を促したり、マッサージを受けてリンパの流れを良くしたりなど、体に無理のない程度に、血液とリンパの流れの改善を図ってみましょう。

水分や栄養分をしっかりと摂る

下痢などの影響で体が水分不足・栄養不足にならないよう、水分の摂取、および栄養価の高い食事を心がけてください。

特に水分をよく摂ることは、体内の疲労物質を外部へ排出することにもつながります。

気分転換をする

外を散歩したり、音楽を聴いたりなど、患者自身の好きなことで気分転換を図ることにより、自律神経のバランスが改善されて倦怠感の軽減につながることがあります。

参考文献

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