原発がんと転移がんの違いや、胃がんが転移しやすい臓器とその治療法についてまとめています。
がんには「原発がん」と「転移がん」の2種類があり、それぞれ性質がことなります。
たとえば、もともと肺が原発巣になって発症した肺がんと、胃がんから転移した肺がんでは、同じ肺がんでも性質が全くことなるのです。
治療をする際にも、転移がんの場合は、もとの原発巣のがんの性質を引き継いでいることから、胃がんから転移した肺がんの場合には、胃がんの治療が必要になります。
原発がんなのか転移がんなのかは、CT検査や病理検査などをもとにして判断されます。
がん細胞が、最初に発生した原発巣を離れ、他の臓器に侵入して増殖していくためには、がん細胞自身にさまざまな能力が必要になります。
がんが増殖していくうちに遺伝子変異が進んで、そうした能力を得たがん細胞が転移を起こしていくと考えられます。
胃がんが転移しやすい部位は、リンパ節、肝臓、腹膜、遠隔臓器としては肺、骨、脳などがあります。
胃がんは、比較的早い段階からリンパ節に転移しやすいといわれています。胃の近くのリンパにがんがとどまっている場合は手術での治療も可能ですが、さらにがんが広がると、抗がん剤による治療になります。
肝臓も、胃がんが転移しやすい臓器ですが、肝臓は転移しても症状があらわれにくい場所です。また、肝転移は多発することがあるので、切除手術は難しく、抗がん剤の治療が中心となります。
胃がんが進行して胃壁を貫くと、がん細胞が腹腔の中に散らばり、腹膜に転移してしまいます。腹膜にがんが広がってしまうと、そのすべてを取り除くことはとても難しいので、抗がん剤と対症療法で対応していきます。
がんが血管に入って血液と一緒に流れ、行きついた先で増殖することを血行性転移といいます。肺や骨、脳なども、血行性転移が起こりやすい部位です。
肺転移が見られると、がん細胞はすでに全身に広がっている可能性が高く、抗がん剤治療が選択されます。
骨転移の場合、関節痛などが起こることが多いので、その場合には放射線治療が行われます。
脳には抗がん剤はあまり効かないため、放射線治療がメインで行われます。
参照元:片井均、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 胃がん』小学館クリエイティブ.
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