胃がんのリンパ節に転移した場合の症状や診断方法、治療法について紹介しています。
がん細胞がリンパ管に入り込み、リンパに転移するのがリンパ行性転移です。
胃がんは、比較的早い段階から、リンパ節に転移しやすいがんです。
リンパ管に入り込んだがんは、リンパ管を流れ、胃の周りのリンパ節に流れます。
リンパ節は、胃に近いところから1群リンパ節、2群リンパ節、3群リンパ節と分類されますが、胃に近いリンパ節に転移すると、より遠いリンパ節へと転移していきます。そのため、胃がんがある程度進行すると、近くのリンパ節にもがんが隠れている可能性が高いため、手術の際、近くのリンパ節も一緒に取る「リンパ節郭清」が行われるのです。
リンパ節に転移した場合、がんが少し大きくなっても自覚症状はあらわれないのですが、転移した先で、ほかの組織を圧迫して痛みを起こすことがあります。
また、皮膚や体の表面のリンパ節に転移すると、しこりになるときがあり、触るとわかります。
肝臓の入り口付近のリンパ節に転移した場合には、胆管が圧迫されて詰まり、黄疸が出ることがあります。
リンパ節に転移した場合、細菌感染によるリンパ節の腫れとは異なり、痛みや熱はなく、かたくなるのが特徴です。
胃がんのリンパ節への転移は、通常、CT検査でわかることが多いです。
リンパ節は通常、小豆くらいの大きさなのですが、がんが転移すると、もう少し大きくなることが多いので、丸く腫れたリンパ節が見つかります。
転移しても、しばらくの間は、胃の近くのリンパに留まっていることが多く、その場合は、手術で治すことも可能です。
かつては、第1群リンパ節と第2群リンパ節を合わせた「領域リンパ節」すべてを切除することが多かったのですが、リンパ節の中でも、がんがよく転移するリンパ節と転移しないリンパ節があり、転移しないリンパ節は、全身への転移を防いでくれていることがわかりました。
そのため、現在では、転移のないリンパ節は残されるようになりました。
しかし、リンパ液の流れによって、全身に胃がんの細胞が広がっている可能性が高いと、手術での治癒は難しいため、この場合の治療は抗がん剤が中心になります。
参照元:片井均、島田安博(2011)『国立がん研究センターのがんの本 胃がん』小学館クリエイティブ.
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