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胃がんの術後にお酒はNG?

お酒をはじめ、世の中には魅力的な嗜好品が数多くありますが、それらは胃がんの術後に摂取を止めた方が良いのでしょうか。

胃がんの術後の食生活で大切なことは?

一般的に、胃がんの術後は機能が低下した胃腸に負担を掛けない食生活をしていくことが肝要です。とは言え、基本的には食材に対する制限はなく、治療前に食べていたものであれば、治療後も食べることが可能です。

胃がんの術後で注意すべきは、原則として食事の仕方や量など「胃腸をケアする」ことであり、特定の食材がNGとなることはありません

ただし、少なくとも術後しばらくは胃腸の調子が不安定なため、栄養バランスに優れていて、消化が良く、少量でも満足感を得やすい食材などが推奨されます。反対に、大好物の食材であっても、過度に脂っこいものや消化の悪いものを食べてしまうと、気分を悪くしたりお腹を壊したりしてしまう可能性が高くなるので注意しましょう。

胃がんの術後はお酒を止めるべきなのか?

胃がんの手術を受けた人でも、お酒(アルコール)を飲むことは可能です。当然ながら、手術直後は控えるべきですが、お酒をたしなむことで治療後のストレス軽減に効果がある場合は、胃腸の回復に合わせて徐々にお酒を飲む機会を設けても良いでしょう。

しかし、手術内容や体質によって個人差があるものの、往々にして胃がんの術後は腸でのアルコール吸収が速やかになり、治療前よりもかなり“酔いやすい”状態になっていることを忘れてはいけません。そのため、元々はお酒が強かった人であっても、胃がんの術後は極端にお酒が弱くなってしまうことも考えられます。また、ビールなど炭酸を含む飲料は、腸を膨らませて食欲を減退させたり、ゲップの不快感を誘発したりする恐れもあるので、出来るなら避けておいた方が無難でしょう。

特に胃を切除してから数ヶ月間は、ゲップを上手に出せなくなり、お腹に溜まった炭酸ガスで気分が悪くなることもあります。人によっては大好きなビールや炭酸飲料を我慢しなければならないストレスもあるでしょうが、むしろ体が回復してゲップも自由に出せるようになった時に、「祝杯」として飲むことを楽しみにしながら、気持ちを切り替えていくことが大切です。

お酒以外の嗜好品はどうなのか?

コーヒーのような嗜好品も、通常の範囲で楽しむ限り問題はありません。ただし、カフェインを摂り過ぎると寝付きが悪くなったり、胃腸の内壁を荒らしたりするリスクもあるので、あくまでもほどほどに楽しむことが重要です。

また、カレーに含まれる唐辛子などの香辛料や、お寿司に入っているわさびなどの、いわゆる刺激的な食材も、体に違和感を抱かないのであれば食べても問題ありません。しかし、カフェインと同様に、一度に沢山の量を摂取してしまうと、胃腸の粘膜にダメージを与えたり、不快感を引き起こしたりするので注意が必要です。

詰まる所、健康な人であっても、空きっ腹にコーヒーをがぶ飲みしたり、激辛料理を食べたりすれば気持ち悪くなってしまうように、どのような食材であっても適度に楽しむことが一番大切なポイントです。

術後しばらくは控えた方が良い食べ物

基本的に食材に対しての制限がないとは言え、やはり胃がんの術後はなるべく避けておいた方が無難な食材や料理というものも存在します。

1.油脂類

脂っこい料理や油分の多い食材には、酒の肴として人気のものも数多くあり、またストレス解消に外食をした場合などは特に、そのようなメニューを食べる機会も増えることでしょう。しかし、油脂類は糖質よりも消化・吸収に必要な時間が長く、食べ過ぎると腹痛や下痢を引き起こす可能性もあります。

一度に食べられる量が減る分、好きなものだけを食べたくなる気持ちは自然なものですが、少なくとも術後しばらくして体の変化に馴染むまでは、大事を取って油脂類は避けるか、食べたとしてもごく少量にとどめておくことが賢明です。

2.温度変化が激しいもの

冷たすぎるものや、熱すぎるものは、胃腸を刺激して不要なリスクを高める恐れがあります。特に、夏になると、ただでさえ食欲が減退しがちな所に、体力不足や栄養不足も重なって、ちゃんとした食事を摂ることが億劫になることも考えられます。しかし、そのような時に「アイスなら」と冷たいものばかり食べてしまうと、下痢を起こしてさらに体力が削られてしまうかも知れません。

3.食物繊維の多い食材

お腹の状態を整える栄養として人気の食物繊維ですが、食物繊a維は大きく「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2つに分けられます。

さて、一般に野菜に含まれる食物繊維として扱われるのが、後者の不溶性食物繊維です。

不溶性食物繊維は、健康な胃腸であれば便通を良くしたり、余分な油脂などを巻き込んで便として取り込んだりするために働いてくれます。しかし、胃がんの術後のように万全の状態でない胃腸で不溶性食物繊維を摂り過ぎてしまうと、便通が良くなりすぎて下痢を誘発してしまうこともあります。胃腸が本調子でない時に下痢になると、体力の低下や気力の低下が促進されるため、野菜を摂る時はミキサーで細かく食物繊維を破砕するなどの工夫をしても良いでしょう。

また、胃がんの術後は治療前に比べておならを頻繁にするようになったと感じることもあります。おならが出るということは、胃腸が正常に活動を再開していることの証であるものの、一方で腸内環境が崩れているせいで、治療前よりもおならや便の匂いがきつくなってしまうことも珍しくありません。どうしても気になってしまう場合は、食物繊維が豊富で、かつ腸内発酵をしやすい芋類や、匂いの原因となるタマネギ、動物性タンパク質などを控えることも方法です。

尚、食物繊維でも、海藻のねばねば成分としても知られる「水溶性食物繊維」は、不溶性食物繊維とは反対に下痢を改善する働きがあるので、腸内環境の悪化が気になる人にとってはオススメの食材です。とろみがあったり、ねばねばしていたりする食材は胃粘膜を保護して、胃がんの術後の食事をサポートしてくれることもあるので、食生活に取り入れてみても良いかも知れません。

術後の食事は調理の工夫と栄養のバランスが大事

胃がんの術後の食生活においては、食材選びだけでなく、調理に一手間を加えて工夫することも大切です。

実際、同じ食材でも調理の仕方を「焼く」から「蒸す」に変えるだけで途端に食べやすくなったり、寒天やゼリーで包むことで気になる匂いが抑えられたりと、そのメリットは少なくありません。また、食材の調理方法によっては栄養の量が変わることも多く、例えば茹でることで水に溶け出してしまうビタミンCなどはその典型です。

折角、栄養のバランスを考えて食材選びをしても、調理の仕方で栄養が失われてしまっては本末転倒です。野菜はゆで汁も一緒に飲めるようにスープの具にする、油分の多い肉類は下茹でして余計な油を落とすなど、色々な工夫で料理を楽しむくらいの気持ちになれればベストです。その他、食事中の気分を盛り上げるために、食器や盛りつけに彩りを加えてみても良いでしょう。

参考サイト:国立がん研究センターがん情報サービス・手術後の食事(胃、大腸)

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