胃がんの治療の正しい知識 » 胃がん治療後のQOL向上に欠かせない食事管理 » 望ましい食事のとり方

胃がん治療後に心がけるべき食生活

一般的に外科的手法(手術)で胃がんを治療した後は、その治療部位や切除した範囲に関わらず、治療前と比べるとどうしても食生活に変化が生じてしまいます。

胃がんの治療をした人にとって守るべき食生活のポイントを押さえた上で、前向きに日々を過ごせるように、新しい食事の楽しみ方を見つけていきましょう。

胃がん治療後は食事の摂り方に注意!

治療内容は食生活の変化にも影響する

手術後の変化

胃がんの治療には、主に胃の全部や一部を手術で切除する外科的治療が行われます。この場合、他の消化器官にも大きな影響があるために、治療の前後で食生活の変化が避けられません。

内視鏡治療後の変化

内視鏡によって胃がんの治療を行った場合、消化機能も大部分が維持されるので、基本的には治療の前後でそれほど大きな変化は生じません。とは言え、治療後から1~2ヶ月が経過する頃までは、激しい運動や力仕事、暴飲暴食、飲酒、長時間の入浴などは避けた方が無難です。

化学療法中の変化

胃がん患者の中には、抗がん剤などを使って通院しながらの化学療法を進める人もいます。化学療法中はある程度まで従来通りの生活が送れるため、医師や看護師から日常の注意点をきちんと聞いた上で、ライフスタイルに合った食生活を見つけていくことが肝要です。

胃がん治療後の食生活の注意点

一度の食事量と、一日の回数を見直す

手術で小さくなった胃のサイズは、時間の経過と共に元に戻ることはありません。つまり、食べたものを“保管”するスペースは縮小したままになります。

そこで、まずは自分の胃の状態に合った食事量や、食間の長さ(食事の回数)を見つけていくことが重要です。食事量を増やすことが辛い場合は、一度の量を減らし、その分カロリーの高い食品を摂ってみることも良いでしょう。また、一日の食事回数も、最初の内は毎日3食にこだわらず、あくまでも自分にとって無理なく実践できる回数を守ることがポイントです。アメやチョコレート、バナナやりんごなど、お菓子や果物を間食として摂ることも効果的です。

食事の内容に注意する

胃の切除をした場合でも、特に「食べてはいけないもの」が増えることはありません。とは言え、明らかに消化の悪そうなものや、脂っこいものは、少なくとも胃がん手術後3ヶ月が経過するまでは避けておく方が賢明です。また、食材の温度や食感によって食べやすさも変わるので、ストレスなく口に入れられるものを見つけることが大切です。

規則正しい食生活をキープする

一度の食事量と、一日の食事回数の目安が決まれば、今度はそれを規則的に継続していくように心がけます。ただし、どうしてもお腹の調子が悪かったり、気分によって食べたくなかったりする時は、無理をせず食事を抜いても良いでしょう。

体重の減少を気にしない

胃が小さくなると食べられる量も減るので、必然的に体重が減少します。しかし、この体重減少はやがて時間の経過と共に落ち着くため、あまり気にするべきではありません。むしろ、無理に食べて体重を増やしても、筋肉量でなく体脂肪だけが増えている場合が大半なので、体力の向上には役立たないことが懸念されます。

しっかりとかんで食べる

良くかんで食べることにより、唾液が食べ物に接する時間が長くなり、消化しやすい状態へと変化させます。また、ゆっくりと胃腸へ食べ物を送り込むことは、ダンピング症候群の予防法としても重要です。

あまり沢山の食べ物を飲み込まない

手術後は、多かれ少なかれ傷付いた組織の癒着が起きますが、それによって小腸は場所によって“通りにくい状態”になっていると予想されます。そこへ大きな塊の食べ物が押し込まれると、つっかえてしまって通り道が塞がれてしまう、「腸閉塞」のリスクが急激に高まってしまうでしょう。

食べてすぐ横になるのは危険

食事をした後は、しばらく体を起こした状態を維持します。何故なら、食べてすぐ横になってしまうと、胃の内容物や胃液が食道へ逆流してくる「逆流性食道炎」を引き起こしやすくなるからです。特に噴門を切除している人の場合、ただでさえ胃液が逆流しやすい状態になっているので注意しなければなりません。

また、食べてから就寝するまでの間に、胃や腸が十分に食べ物を消化吸収できるよう、食事は就寝の2~4時間前に済ましておくことも肝要です。

食べる順番や食材を工夫する

とろろやオクラなど、胃腸の粘膜をサポートしてくれるような、粘り気のある食材を最初に食べたり、食べやすいよう料理にとろみを付けたりするなど、自分なりの工夫を試してみることも重要です。

手術から間もない内は、市販されているゼリー状のオブラートを使ってみたり、高齢者用のレトルト流動食を試したりしても良いでしょう。

胃がん治療後の食生活で注意すべき症状

早期ダンピング症候群

食事の直後から30分程度の間に起こる、眠気やめまい、頭痛、呼吸困難などの総称です。腸に食べ物がいきなり流し込まれ、血糖値が急上昇することで引き起こされるので、ダンピング症状が現れた場合は、食事内容やペースを見直し、糖分の多い流動食や飲料の摂取も控えます。

後期ダンピング症候群

上昇した血糖値を下げようとインスリンが大量分泌された結果、血糖値が下がりすぎてしまい、めまいや発汗、震えなどが引き起こされます。通常は食後2~3時間程度で症状が現れますが、その場合は間食で糖分を補いましょう。

胸焼け・胸のつかえ

胃のサイズが縮小したことで、一度に量を食べると消化に時間がかかるようになり、一時的に胸が圧迫されているような感覚に襲われたり、胸焼けを感じたりすることがあります。

下痢・便秘

食生活の急な変化やストレスにより、下痢や便秘の症状が現れることは珍しくありません。あまり神経質になる必要はありませんが、腹痛がある場合や、膨満感が続くような場合は担当医に相談して下さい。

カルシウム不足

胃がんの治療で胃を切除した場合、カルシウムの吸収量が減少してしまいます。牛乳やヨーグルト、小魚と言ったカルシウムを豊富に含む食材を摂取するだけでなく、カルシウムの吸収に不可欠なビタミンDも不足しないように気をつけましょう。ビタミンDは日光を浴びることで生産が進むので、晴れた日は気分転換に屋外へ散歩することもオススメです。

貧血

胃の切除で胃酸の分泌量が減少すると、鉄の吸収力が低下し、鉄欠乏性貧血が起こりやすくなります。そのため、鉄分の多い食材を意識して摂取することは重要です。

また、特に胃を全摘した人の場合、ビタミンB12の吸収障害が起こってしまいます。ビタミンB12は赤血球の生産に不可欠な成分であり、肝臓に蓄積されているビタミンB12が尽きた時点で貧血症状が現れます。発症までの期間は個人差がありますが、ビタミンB12欠乏による貧血は自然に回復することがなく、医療機関の受診が必要です。

参考文献:織畑道宏,他「胃切除後および胃全摘術後患者に対するビタミンB12の経口投与の有効性」

胃がん治療中の人が気を遣っているポイント

現在進行形で胃がん治療中の人ならではの、食生活の気遣いもあるようです。

放射線治療中に食道や胃に違和感を抱いて食欲が減退した時は、食べやすさを意識した工夫が助けになったそうです。また、抗がん剤治療中に副作用で胃の不快感や、匂いへの拒否感が強まった際は、なるべく匂いを和らげる調理法を試行錯誤したとのことでした。

参考サイト:国立がん研究センターがん情報サービス「患者さんの手記」

食欲がわかないときは

胃がんの術後は、さまざまな後遺症のため、食欲がわかないことがあります。食事は、QOL向上のために欠かせない要素なので、無理をしない範囲で、しっかり摂ることが大切です。

そこで食欲増進成分として注目されているのが「米ぬか多糖体」。進行がん患者を対象に、通常治療とともに、米ぬか多糖体を摂取してもらったところ、痛み・疲労感・吐き気の減少、また食欲が増進などが報告があります。

食欲増進の注目成分
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参照元サイト:国立がん研究センター がん情報サービス:手術後の食事(胃、大腸)

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