胃がんの治療で抗がん剤を使用した場合にあらわれる副作用について紹介しています
抗がん剤は、活発に細胞分裂を繰り返す細胞を攻撃します。そのため、がん細胞だけでなく、皮膚や腸管、骨髄、毛根など、活発に細胞分裂や増殖を繰り返している組織や器官にも影響を及ぼします。それが副作用となってあらわれるのです。
抗がん剤のおもな副作用には、次のようなものがあります。
抗がん剤は毛根にも影響を与えるため、脱毛が起こると考えられています。
抗がん剤の種類や使用期間、量によって脱毛の程度は異なり、抜け方にも個人差があります。髪の毛だけでなく、眉毛、体毛などにも脱毛は起こります。
大量の髪の毛が抜けることで、精神的なショックも大きい副作用ですが、抗がん剤治療が終わると、髪はまた生えてきます。
急に脱毛がはじまっても慌てないように、あらかじめ、かつらや帽子を用意しておくと安心です。髪を洗うときには、肌に優しいシャンプーを使い、指の腹で軽くこするようにします。
寝るときはナイトキャップをかぶると、抜けた髪が散らばらず、掃除も楽です。
疲れやすく、やる気が出ないという場合もあります。抗がん剤の影響であることはもちろん、吐き気や貧血など、いろいろな副作用が原因で起こるともいわれています。
調子が悪いときは無理をせず、しっかり休むようにしましょう。
骨髄の造血幹細胞の機能が阻害されると赤血球が減少し、貧血を起こしやすくなります。貧血の症状として、だるさ、疲れやすさ、めまい、動悸・息切れ、食欲不振などがあります。
急な動作をすると貧血の症状が起こりやすくなるので、動くときはゆっくり動くようにして、疲れやすいときには無理をせず、貧血の症状があらわれたら休むようにしましょう。
抗がん剤によって骨髄の機能が影響を受け、赤血球、白血球、血小板などが減少します。赤血球が減ると貧血に、白血球の中の好中球が減ると感染症にかかりやすくなり、血小板が減ると出血しやすくなるので注意が必要です。
とくに好中球が減少している時期には、入院して治療をすることも。食事の前やトイレの後はしっかり手を洗い、シャワーなどで体を清潔にしておきましょう。人ごみを避け、外出時はマスクを着け、帰宅したら手洗い・うがいを念入りにしましょう。
毎日体温を測り、急に熱が上がったときにはすぐに担当医に連絡しましょう。骨髄抑制の症状は、抗がん剤治療の1~2週間後に、強く影響が出ます。
脳の嘔吐中枢が刺激されて、吐き気や嘔吐が起こると言われています。食欲がない場合は無理をせず、食べたいものや食べられるものを少しずつ摂るようにしましょう。どうしても食事ができない場合には担当医に相談を。吐き気を抑える薬を処方してもらうこともできます。
嘔吐が長く続いたり、食事や水分がほとんど取れない場合には、点滴で栄養補給をすることもあります。
抗がん剤によって腸の粘膜が荒れ、炎症を起こしたり、感染が起こることで下痢になりやすくなります。胃がんで用いられる抗がん剤は、激しい下痢を引き起こすものもあります。消化の良いものを食べ、脱水症状を防ぐために水分補給はしっかりと。1日に何度も下痢を起こしたり、何日も続く場合には、担当医に相談しましょう。
抗がん剤によって腸の動きが弱くなったり、食事の量が減ったりすることで便秘になる人もいます。
水分を多めにとって、無理のない程度に体を動かすようにしましょう。
皮膚に発疹やかゆみなどが出て、悪化すると血圧が低下したり、不整脈や呼吸困難が起こる場合も。はじめて抗がん剤を使うときに起こりやすいといわれています。
副作用の起こり方や時期はさまざまです。一般的に起こりやすい副作用と、それがあらわれる時期は以下の通りです。
抗がん剤は、免疫力が落ちることで感染症にかかりやすくなったり、QOLを低下させてしまう可能性があります。その副作用に打ち勝つためにも、健康な身体づくりが大切です。
参照元サイト:国立がん研究センター がん情報サービス:薬物療法(抗がん剤治療)のことを知る
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